新型コロナウイルス禍が過去のものとなりつつあるが、多くの業界においてコロナ前への完全な逆戻りは起きず、新たな事業環境に突入している。そこで上場約50社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業によって業績の明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年9月度の牛丼チェーン編だ。
吉野家、すき家、松屋…
牛丼で「圧倒的勝ち組1社」は?
牛丼チェーンの主要3社が発表した23年9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯吉野家(吉野家ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
9月度:前年同月比116.2%(16.2%増)
◯すき家(ゼンショーホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
9月度:同116.6%(16.6%増)
◯松屋(松屋フーズホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
9月度:同112.1%(12.1%増)
しかし、実は吉野家・すき家・松屋の間には、この数字だけでは見えてこない「格差」がある。さらに各社の月次データを時系列で確認すると、「圧倒的な勝ち組1社」があることも判明した。