たとえば、私がどうしてもやりたかった『ADEL33』という動画企画があります。ファンタジックなゲームバラエティーで少し変な企画です。いくつかの企業にプレゼンしたものの、やはり変な企画なので理解されずに5年間ほど実現させることができませんでした。

 自分のYouTubeチャンネルでやることを考えましたが、制作費に数千万円が必要になるので、自費でやるのは到底難しくなかなか実現の目途がたちません。そこで会う人会う人、片っ端から「この企画をやりたい」と話してみることにしました。企画と親和性がない人に対しても、ポカンとされながらも説明していました。

 すると予期せぬところから「そういうことをやってみたかったんだ」「おもしろそうだから手伝うよ」と連絡が来るようになりました。こうなると企画が動き始めます。その経過をSNSで報告しながら「本当はもっとこうしたい」「これが出来ればもっと良いモノになる」と言っていると、今度は「こういうものならタダで提供できますよ」「お金がボトルネックならスポンサーするよ」という人も現れるようになりました。本当に意外な方々からの協力です。

 こうして『ADEL33』は、有名人が多数出演する大きなスケールで実現しました。私が「やりたいと言った」ことで、それに気付いた人がいて実現したのです。

 ここで強調したいのは、私が「スゴイ人」とか「優れている人」だから実現できたわけでは決してありません。「やりたいことを言う人」が極端に少ないから、とても「目立った」のです。

 いつもやりたいことを言ってばかりいたので、最近では自分からやりたいことを伝える前に「これからどんなことをしようとしているの?」「今、何に興味があるんですか?」「どんなことを企んでいるんですか?」と尋ねられるようになりました。やりたいことを言い続けていると、やりたいことがどんどん仕事になっていきます。