やりたいことは自己紹介になる

 ではここで、いま私がやりたいと思っていることを自己紹介を兼ねて書いてみましょう。

 自宅トイレの壁紙を替えたい。歯をホワイトニングしたい。観たかったドラマを一気観して一週間くらい浸かりたい。沖縄でワーケーションしたい。父島でダイビングしたい。本格ゴーカートでサーキットを爆走したい。本格バギーで山中を爆走したい。F1をパドックパスで観戦したい。アナハイムに大谷翔平さんの試合を見に行きたい。オンラインサロンメンバーと海外視察ツアーをしたい。サンセバスチャンで飲み歩きしたい。子供が大騒ぎしてもよい高級レストランを出店したい。『インターステラー』のシネマオーケストラに行きたい。好きな曲だけ集めてオーケストラバージョンのコンサートを開きたい。有名じゃない神社やお寺をリブランディングしたい。トイレを主語にした「トイレカフェ」をつくりたい。「世の中のニッチなものを片っ端からランキングするメディア」を作りたい。「17歳の人だけが使える排他的な空間」をつくりたい。「この世に遺したいたったひとつだけのこと」を1000字で100人が書く本を出版したい。「一か所のバス停の映像」だけでトリッキーだけどエモい映画をつくりたい。『ADEL33』の続編をつくりたい。新しい「マーベル」みたいなクリエイティブブランドをつくりたい。過疎って困っている自治体を盛り上げるコンテンツをつくりたい。渋谷区を自ら稼げる自治体にしたい。街をつくりたい。都市をつくりたい。

 いかがでしょうか。「変な人だな」とか「節操ないな」と思われた方もいるかもしれませんが、意外と私という人物に興味が湧いたのではないでしょうか。やりたいことがある人というのは、単純に魅力的に映ります。

 そして、この本にやりたいことを書いたことで、興味のある人からきっと連絡がくると思います。そしてそういう人との出会いによって、いくつかは実現していくことになるのです。

 私は自己紹介が苦手でした。本当に苦手でした。就職活動の自己PRはとにかく嫌でした。「学生時代、サークル活動をがんばりました」「アルバイトをがんばりました」なんて聞いている人は絶対に退屈だし「だからこんなことを実現する力があります」なんて、絶対そうは感じないだろうなと思っていました。

書影『スキル』(クロスメディア・パブリッシング)『スキル』(クロスメディア・パブリッシング)
高瀬敦也 著

 社会人になっても自己紹介は苦手でした。起業後にはさらに困りました。苦手でも自己紹介できないと仕事になりませんし、紹介できる実績もないのです。そこで私は自己紹介を諦め、「これから私がしたいこと」を説明することにしました。すると、いろいろなことが大きく変わり始めます。どんな人でも、私の「未来の自己紹介」に興味を持ってくれるようになりました。

 先ほど紹介した通り、私は「やりたいこと」のストックが常に数十個あります。そして場面に応じて、そのうちの2~3個をお話するようにしています。 「私は高瀬敦也です。私のつくったコンテンツを集めてディズニーランドのような世界観ゴリゴリのテーマパークをつくりたいです。F1とグランツールの開催を追っかけながら毎年世界旅行をしたいと思っています。家族や友人を集めて100世帯ぐらいのコミュニティで村をつくりたいです。」

 これを聞いて、バカだなぁと思われた方もいるでしょう。ほぼ実現しない夢を語る中年ですよね(笑)。しかし、私のキャラクターは伝わりますし、価値観や人生観も伝わります。質問もしやすいですよね。一般的な自己紹介は「過去」を語るフォーマットでできていますが、この自己紹介に過去の要素はひとつもありません。

「私はこれからこういうことをしたいと思っています」と伝えると、「この人はこういうことがしたいんだ。だったら、自分も一緒にやってみたいな」とか、「その分野に精通している○○さんを紹介してもいいかもな」と、同じ未来に向けたコミュニケーションが可能になります。

 過去の話は、すでに完結していますが、未来の話は他者が入り込む余地があります。仮にやりたいことが一致しなくても、相手は応援したい気持ちになったり、わくわくしたりします。夢やビジョンをキラキラ語る人に出会うと、刺激も受けますし、「この人のやりたいことに付いて行かなければ、自分が損をするかも」という感情も湧いてきます。未来のことは誰にも分かりませんから、どんな人にでも可能性が開かれている以上、否定的な判断はしづらいものです。

「やりたいことを語る」ということは、「未来を語る」ということです。未来を語る人には、可能性を感じます。すると自然に情報と人が集まります。集まった情報と人は、やりたいことと直結していなくても、自分の資産として力になります。それが「やりたいことを言う力」というスキルです。