ずっとグルグル考え続けてしまう、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。無意識に働きかける「暗示」を唱えることで、眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、著者の大嶋信頼氏に「なかなか消えないストレス・不安を手放す方法」について聞いてみた。

【人気カウンセラーが教える】「あの人ばかりずるい!」嫉妬・劣等感が止まらないとき、どうすればいい?Photo: Adobe Stock

「あの人がうらやましい…」

-------------

自分よりも優秀な人や優遇されている人を見たとたん、「あの人がうらやましい」と思ってしまう。
「自分もこんなにがんばっているのに!」と他人と比べてもしかたないのに、考えてイライラしてしまう。今回はそんな「嫉妬心」を手放す方法をご紹介していきます。

-------------

嫉妬は「相手は、自分よりも下の立場なのに、自分よりも優れたものを持っている」という条件で起きる「動物的な発作」のようなものです。

動物的な発作だから、自分ではコントロールするのが難しいし、そもそも自分で発作を起こしている自覚を持つことが難しい。

たとえば、飼い犬の前で犬のぬいぐるみを抱えて「かわいいね~」となでると、飼い犬は嫉妬の発作を起こして、いつも大切にしているぬいぐるみに吠えてかみついてしまうことがあります。

人間の場合は、嫉妬の発作を起こした瞬間に、「能面のような無表情」になるから、周りからすると、「あの人、〇〇さんに嫉妬しているんだ!」とわかりやすいです。

ところが、嫉妬している本人は「自分はあの人に嫉妬している」という感覚を持つことがほとんどありません。

能面のような顔になった次の瞬間に、相手のことを否定したり、嫌味を言ったり、いらない心配やアドバイスをしたりしますが、嫉妬の発作を起こしていると「相手のために言ってあげている」と思い込んでいます。

自分が嫉妬をして相手を傷つけたり、足を引っ張るような発言をしたりしている、という自覚がまったく持てなくなってしまうのです。

嫉妬を自覚できる人は「これまで嫉妬されてきた人」

この記事を読んでいる人の中には「え? 私は相手に嫉妬していることを自覚していますけど?」と思っている方もいるでしょう。

だいたいの人は自分が嫉妬しているとは気づかずに、いろいろ理由をつけて「相手が悪い!」と思い込んでいます。

だから、「私は優秀な人に嫉妬をして『あの人ばかりずるい!』と思って、劣等感や怒りが止まらない」とちゃんと自覚できている人はすごいんです。

では、相手に嫉妬していることを自覚できる人とはどういう人なのか。

それは、これまでの人生で嫉妬されてたくさん嫌な目にあってきた人です。

自分が嫌な目にあってきたからこそ、優秀な人に嫉妬をして、相手にも自分と同じような嫌な思いをさせてしまうことに対する後ろめたさがある。

自分の嫉妬で相手を傷つけてしまうのを止めるために、気づかないうちに「自分はあの人よりもダメだ」というような「劣等感」に変えていたりするのです。

しかし、こんなふうに嫉妬の破壊的エネルギーを「劣等感」に変えて自分に向けてしまうと、自分が傷ついてしまいます。

すると、「自分は相手よりもこんなに自分を責めて苦しんでいるのに、相手はラクをして優れたものを手に入れている」と嫉妬の発作が止まらなくなり、悪循環に陥ってしまうのです。