イライラして眠れない、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。
「やりたいこと」がわからなくなる瞬間
「自分のやりたいことがわからない」と悩んでいる人は多いようです。
もし、「やりたいことを見つけたい!」と思うのであれば、やりたくないことを全部やめてみると、「本当に自分がやりたかったこと」が見えてきます。
やりたくないことをやっているから、「やりたいこと」がわからなくなってしまうのです。
この「やりたいことがわからない」という悩みは、「学習性無力感」が原因となっている場合があります。
「学習性無力感」とは長期間ストレスにさらされることで、「自分は何をやってもムダ」と思ってしまい、そこから抜け出す努力すらしなくなってしまうことです。
やりたくないことをやりすぎると、「学習性無力感」に陥る
この学習性無力感について、ある有名な実験があります。
電気ショックが襲ってくるケージの中に犬を入れて、電気ショックを流し続けると、犬はケージから出ようと必死になるのですが、どうやっても出られないので、やがて抵抗しなくなります。
ケージの扉を開けて、いつでも逃げられる状態になっても、犬は無気力状態になってそこから逃げようとしなくなってしまうのです。
これはひどい実験なので、今は決してやってはいけないのですが、やりたいことがわからない人は、まさにこの状態になってしまっています。
「やりたくないこと」は電気ショックと同じです。
「やりたくないこと」ばかりやり続けていると、気力がわかなくなり、「学習性無力感」に陥ってしまう。すると、自由になっても、やりたいことがわからなくなります。
やりたくないことをやると電気ショックが起きたような状態になるのであれば、「うわ! やりたくないことをやめなきゃ!」となりますよね。でも、学習性無力感に陥ると、「生活のためにやりたくないことでもやらなきゃ」と思ってしまう。
周りの人から「そんなの、やめちゃえばいいじゃない!」と言われれば言われるほど、「でもやらなくてはいけないから」と電気ショックを受け続けて、ますますやりたいことがわからなくなり、自由になることを選択できないのです。
そんな状態から脱するためにはどうしたらいいか?
それには「眠り」が大きくかかわっています。
深い睡眠がとれないと、記憶や感情が適切に整理されない
私の睡眠パターンをスマートウォッチで見てみると、やりたいことにしっかり取り組めているときは、「教科書に出てくるようなものすごくきれいな睡眠パターン」になっています。
でも、やりたくないことをやっているときは、睡眠パターンがバラバラで深い睡眠がまったく取れていません。
睡眠パターンがきれいになっているときは、眠っているときに無意識が記憶を適切に整理しているということ。
でも、睡眠パターンが乱れてしまうと、記憶や感情が適切に整理されずに散らかったままになってしまうのです。