今日まさに作すべきことを熱心になせ

過ぎ去れるを追うことなかれ。
いまだ来らざるを念(おも)うことなかれ。
過去、そはすでに捨てられたり。
未来、そはいまだ到らざるなり。
されば、ただ現在するところのものを、
そのところにおいてよく観察すべし。
揺らぐことなく、動ずることなく、
そを見きわめ、そを実践すべし。
ただ今日まさに作(な)すべきことを熱心になせ(後略)
(増谷文雄訳『中部経典』より)

これは、古い仏典にある「一夜賢者の偈(いちやけんじゃげ)」という詩です。

ここでも、「前後際断」と同じことを教えています。

誰でも「あのとき、ああすればよかった。そうすればこんなことにはならなかった」と過去を悔やんだ経験はあるでしょうし、「この先どうなるんだろう」と将来に不安を抱くこともあるでしょう。

でも、思い悩んでも無意味ですし、幸せから遠ざかるばかりです。

幸運を引き寄せるには、自分の目の前にある課題にしっかり取り組むことが大切です。

今やるべきことを積み重ねなければ、よい未来はやって来ません。

現在やらなければならないことを明確にして、どんどん実践しましょう。

●チェックポイント
過去に犯した過ちを引きずっていませんか?
未来を悲観し、臆病になっていませんか?