「子どもにいい成績をとってほしい」「頭がいい学校に行ってほしい」「そのためには、どのように勉強を教えるのがいいのか」、悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか? 著書累計75万部を超える現役東大生の西岡壱誠氏によると、東大生の親の子どもへの接し方には、共通点があるといいます。
本記事では、1000人以上の東大生のノートを分析した結果をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「東大生の親が子どもにどう接していたのか」について話を聞きました。

東大生の親が「子どもに勉強を教えない」納得の理由Photo: Adobe Stock

東大生の親は、勉強するように仕向ける

東大生の親御さんは、勉強を教えないと言ったら、みなさんはどう思いますか?

「それはないだろう、小さいときから親にたくさん勉強を教わっているはずだ」と考える人が多いかもしれません。

ですが事実として、実は東大生は小さいころ、別に親から勉強を教わっていない、という人が大半なのです。

「ということは、東大生は親とか関係なく、勉強に意識が向いているの?」と考える人もいると思いますが、これも少し違います。

東大生が生まれ育った家庭の親御さんはきちんと、子どもが勉強に興味を持つように仕向けていることがほとんどです。

東大生の親御さんは、子どもが気づかないように、勉強するように仕向けている場合が多いんです。

「答え」は教えず、「質問」をする

その方法は、質問をすることです。

たとえば、散歩のときに「この花の名前はこういう風に言うよ。覚えておきなさい」とは教えません。

「ねえ、この花の名前ってなんだろうね?」と、子どもに質問するのです。

子どもはそれを聞いて、「たしかになんの花だろう? ちょっと調べてみる!」とスマホや本で調べて、「あった! これだよ!」と親に教えるわけです。

算数の問題を解いているときもそうです。「この問題の答えは? 2? 3? どっちになるか答えて?」「違うよ! 2じゃないよ! ここで計算ミスしてるよ!」と、問題の答えを教えたりはしません。

「この問題、どう解くんだろうね? お母さんわからないなぁ」とわざと解けないふりをします。また、子どもが間違えたときにも、「あれ? 答えは3なのに、2が答えになってるね。どこかで間違っているのかもね。どこだろう? 一緒に探そうか」と答えを一緒に探すための質問をするのです。

わざと自分がわかっていないふりをして、子どもの目線で考えるのです。

子どもに「考えるきっかけ」を与える

人間、教えられているときは、頭を使いません。特に上から目線で「こう!」と言われると、どんどん自分の頭を使わなくなっていきます。

「こうなのよ!」と言われ続けると、理由を自分の頭で考えることをしないままで、「あの人が言っているんだから、きっとそうなんだ」で終わってしまいます

でも、「これってどうなんだろう?」と質問されると、「なんでだろう?」と自分の頭で考えるきっかけになります

子どもが考えるきっかけになるのは、教えることよりも質問することなのです。

勉強を教えなくても、質問の質が高ければ、子どもはどんどんレベルアップしていくわけですね。質問の力で、子どもの力は大きく変わっていきます。