あなたの周りで優秀な人間を挙げてみてください

社長は最後にこう質問した。

「では、最後の質問だ。誰を面接官にすべきかの参考にしたいので、身の周りで、自分より優秀だと思う人を挙げてみてくれ」

役員は不思議そうな顔をしている。

「…自分より優秀…ですか?」

「そうだ。」

役員は苦笑して、「まあ、お世辞ではないですが、社長、あとは◯◯さんです。」と答えた。

「◯◯さんか、なるほど。まあ、役員の中では確かに頭抜けて優秀かもしれないな。因みに理由を教えてくれないか?……うん、ありがとう」

そして、面談は終了した。

――*――

その後2人ほどの役員とリーダーに同じような質問をし、3人目の面接となった。彼はリーダーであったが、次期役員候補と目される人物であった。

結論から言うと、3人目の彼が最も器の大きい、面接官に適した人だと判断された。即決だった。

彼は、社長の最後の質問にこう答えた。

(回答を見る前に、ぜひみなさんも、自分だったらどう答えるか、考えてみてください。あまたの周りにいる優秀な人は? どんな人がいますか?)