誰もが一度は英単語をたくさん暗記した経験があるだろう。しかし「たくさん覚えても、全く話せるようにならなかった」と答える人が大多数だ。そんな多くの英語学習者から絶賛の声を集める本が『話す力が身につく5分間英単語』だ。1トピック5分の英単語トレーニングで、実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
「実際には、実は」という意味で使われる3つの語句
(1)actually
前の文に何らかの情報(特に聞き手にとって意外な情報)を付け加えて、「実際には」という意味を表す。
この他、Did he actually hit her or just threaten to?(彼は実際に彼女を殴ったのか、それとも殴ると脅しただけなのか?)のように、文全体ではなく動詞を修飾して「実際に(~する)」という意味を表す用法がactuallyにはある。
(2)in fact /(3)as a matter of fact
actuallyと同じく、何らかの情報を付け加える際に使われる。“as a matter of fact”の方がややフォーマル。
前の発言に何らかの情報を付け加える
この3つの語句はほとんど同じ意味で、ポイントは聞き手にとってやや意外な情報や、相手の興味を引くような情報を前の文に付け加える際に使われるということだ。
上のように、これらが付け加える「情報」は、①前の文のさらに詳しい追加情報、②前の文を否定するような内容の2つに大別される。
このうち、actuallyに関しては、主に②の意味で使うことが多いということを覚えておこう。
ちなみに「前の文」は相手の発言だけでなく、自分の発言のこともある。
(1)actually の例文
“You’re a doctor, right?” “Well, actually, I’m a dentist.”
「あなたは医者でしょ」「いえ、実際は歯科医です」
◆ このようにactuallyは、前の文の内容をやんわり否定するニュアンスで使うことが多い
I’m not disappointed at all. Actually, I’m kind of relieved.
私は全然がっかりしていない。実際には、少しほっとしている
I’m not a big drinker. Actually, I hardly ever drink.
私はそれほど酒飲みではない。実際、めったに飲むことはない
◆ ここでは前の文のさらに詳しい追加情報を導いている(上の図の①のパターン)
It’s more comfortable chatting with my coworkers online rather than actually talking to them.
同僚とは、実際に話すよりもオンラインでチャットする方が楽だ
◆ ここでは動詞を修飾して「実際に~する」という意味を表している
(2)in fact の例文
“Do you know him?” “Yes. In fact, he is my best friend.”
「彼とは知り合いなの?」「はい。それどころか私の親友です」
Rachel doesn’t like her new job. In fact, she is thinking of quitting.
レイチェルは新しい仕事が好きではない。実は退職を考えている
This may sound rather simple, but in fact it’s very difficult.
これは結構簡単そうに聞こえるだろうが、実際にはとても難しい
He may come across as intimidating, but in fact he is very kind and nice.
彼は怖そうに見えるだろうが、実際にはとても優しくてよい人だ
(3)as a matter of fact の例文
“Is he new here?” “Yes. As a matter of fact, he just joined the company yesterday.”
「彼は新入り?」「はい、実は昨日入社したばかりです」
“Is he new here?” “No. As a matter of fact, he’s been working here for three years.”
「彼は新入り?」「いいえ、もう3年もここで働いていますよ」
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)