今、旅客機内で一番ホットな場所は、一番前ではない。ビジネスクラスでもなく、エコノミークラスでもないプレミアムエコノミーが一部の便で旅行客を魅了している。エコノミー席のおよそ2倍の値段で快適さが増す「自分へのご褒美」として利用されている。航空会社は機内でプレミアムエコノミーのエリアを広くしている。「プレミアムプラス」「プレミアムセレクト」などの呼称があるプレミアムエコノミーは通常、座席の幅が広いほか、優先搭乗、アルコール類の無料提供などのサービスがあり、食事の質もよいことが多い。特にビジネスクラスなら追加料金が数千ドルかかる長距離路線で、可処分所得の多い旅行客に人気だという。「アッパーミドルクラス(上位中間層)の人々のためのアッパーミドルキャビンだ」。業界コンサルタントでアイデアワークスカンパニー社長のジェイ・ソレンセン氏はプレミアムエコノミーキャビンをそう表現する。予算に厳しい企業に勤める出張者や、ビジネスクラスに大枚をはたくことなく快適さを追求したい一般旅行者に訴求するとみる。