Photo by Yasuo Katatae
中部地方が地盤の大手スーパーマーケット、バローの関東2号店の出店立地と概要が判明した。スーパー各社は人口密集地である関東近郊に出店を加速させている。バローの2025年11月に続く関東2号店の出店により、競争はさらに激しくなることは必至だ。イトーヨーカ堂やヤオコー、ライフ、オーケーなど、迎え撃つ首都圏地盤の各社は、少なからず影響を受けそうだ。特集『スーパー新戦争』の#1では、過熱する首都圏スーパーのシェア争いの最前線をレポートする。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
スーパー新戦争が勃発
五重苦の中で打つ施策とは?
スーパーマーケット業界は今、五重苦ともいえる厳しい事業環境に直面している。
一つ目の苦難がインフレだ。30年間続いたデフレが終わったことはポジティブだが、これはスーパーの経営には痛しかゆし。食材価格や人件費、土地代などのあらゆるコストの上昇は、利益を圧迫する直接的な要因となっている。二つ目となる歴史的な円安も、牛肉などの輸入食材の仕入れ価格高騰に結び付いている。
これらのコスト上昇要因の中でも、金利上昇はスーパーの経営に無視できない影響を与えている。これまでは資金調達コストがほぼゼロだったため、銀行借り入れに頼った新規出店や店舗の改装投資による成長は、「比較的簡単に描ける戦略だった」(大手スーパー財務担当役員)。だが今は建築費の高騰も重なって、「出店・店舗改装コストは5年前と比較して倍」(大手スーパー幹部)という状況だ。
加えて地方で急激に進む人口減少が三つ目、店舗運営を支える従業員やパート・アルバイト人材の不足が四つ目の苦難として加わる。
ただし、これほど厳しい環境にあっても、スーパー各社は出店や改装、差別化のための商品戦略の改善など、成長へ向けた投資を緩めることはできない。時機を見計らうべくアクセルを緩めようものなら、たちまちシェアを奪われることになる。ドラッグストアやディスカウントストアなどの他業態が、本格的に生鮮食品を取り扱い始めているからだ。戦わなくてはならないライバルが増えるという、五つ目の苦難が急浮上している。
そんな五重苦の中で成長するためには、どのような施策を打つべきなのか。現在スーパー各社に共通しているのは、人口密集地への出店だ。とりわけ関東は最も肥沃な市場であり、地方の有力スーパーが虎視眈々と出店を狙っている。中でもその動向に注目が集まっているのが、岐阜県多治見市に本社を構え、中部地方に多くの店舗を展開するバローだ。同社を傘下に持つバローホールディングスは、連結営業収益は2025年3月期8544億円で、上場小売業の中で13位に位置する。
バローは25年11月に神奈川県横浜市に関東第1号店を出店したところ、周辺道路に大渋滞を引き起こす大盛況となった。オープンから3カ月たった26年2月末の時点でも、駐車場に入れない車が出るほどで、同一商圏内にあるイトーヨーカ堂やオーケーなどのスーパーは対策を迫られた。
だが“バロー旋風”はこれで終わらない。関東2号店となる立地と店舗概要の一部が、ダイヤモンド編集部の取材で判明した。同一商圏内のスーパー各社は、再び対応に迫られることは間違いないだろう。果たしてどのような店舗となるのか。次ページで詳しく報じていく。







