「企業理念が浸透しない」という声をよく聞く。だからといって、繰り返し理念の説明をし続けても、浸透するどころか社員に抵抗感を与えてしまう。どうすればいいか。実は、企業理念を格段に浸透しやすくできる方法がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
意識を変えるのは難しい
どうすればいい?
「企業理念が浸透しない」「ガバナンスが行き渡らない」「ダイバーシティーが進まない」……方針を会社の隅々にまで徹底させたい経営者のほとんどが、多かれ少なかれ直面する課題だ。
こうした状況を打開しようする経営者や担当部門は、ある考え方に陥りやすい。「企業理念も、ガバナンスも、ダイバーシティーも、いずれも最重要課題なので、同じことを何度も説明し、徹底し続けなければならない」というものだ。
重要な課題であることに異論は全くない。しかし、同じことを何度も説明すれば、これらの方針が徹底できるのだろうか。私はそうは思わない。徹底できるどころか、「また同じことを言っている」「そんなことはわかっている」と、メンバーからあきれられ、抵抗感を抱かれるだけだ。