日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。
「まもなく担当者が参ります。こちらの空気椅子におかけになって少々お待ちください」
“Someone will be with you shortly. Please do a wall sit and wait.”
「座って休む」という人類が生み出した椅子の概念を根本から覆す空気椅子。Z世代以降には、効果的に脂肪が燃焼できるエクササイズとしておなじみですが、昭和世代にとっては、シゴキの代名詞としてトラウマです。空気のように快適な座り心地を提供しそうなネーミングですが、実際は地球の重力を体感できる重力椅子。アーロンチェアの対義語になる日も遠くありません。
来社を後悔させる来客応対
「佐藤にお見えになったことを伝えます。スタンディングオベーションをしてお待ちください」
“I’ll let Ms. Sato know that you’re here. Please give me a standing ovation while you wait.”
スタンディングオベーションは、1743年のイギリスでのとある演奏会から始まったとされ、世界的引っ込み思案の我が国にも浸透しています。ただ、予定調和感が強く、最初の1人はサクラの疑いがあるケースも多いため、近年は当局による監視が強化されています。
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「佐藤の予定を確認しますので、そちらでジョジョ立ちしてお待ちください」
“I will see if Mr. Sato is available. Please wait in a JoJo Pose.”
荒木飛呂彦先生によるライフワーク『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに登場するキャラクターたちの、冒険よりも奇妙なポーズを称して「ジョジョ立ち」といいます。簡単なものから、ヨガの達人でも骨を折りそうな高難度のものまで各種あります。
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「申し訳ありませんが、令状のない方とはお会いすることができません」
“I’m sorry, but I can’t meet with anyone who doesn’t have a warrant.”
刑事ドラマや犯罪小説などでたびたび耳にする「令状」。代表的なものに逮捕状がありますが、それ以外にも、捜索差押許可状や身体検査令状、ネズミ捕り令状、転び公妨令状などがあり、裁判官の判断によって発行されます(冗談ですからね、念のため)。
(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)