米金融市場でキャッシュ人気がこれほど高まるのは異例だ。キャッシュを保有しすぎると「ポートフォリオに穴が開く」と金融アドバイザーは警鐘を鳴らす。投資家はMMF(マネー・マーケット・ファンド)の保有残高を、過去最高に迫る5兆6000億ドル(約846兆円)にまで増やしている(米投資会社協会調べ)。市場が不安定な上、MMFの利回りが5%を超えることが背景にある。ステート・ストリートのデータによれば、個人投資家も機関投資家もMMFに殺到しており、資産運用会社の運用資産は現在、MMFが約2割を占める。「現金はゴミ」という状況が何年も続いた金融市場で投資家は、低金利下で株に代わるものはないとして、株価が一時的に下がるたびに買いを入れてきた。金利の上昇が長期化する見通しとなったことでその考えは通用しなくなり、株式と債券の双方に打撃が及んだ。その一方で、MMFといった安全性が最も高い部類の短期投資商品の一部がもたらすリターンは高まっている。
今年人気のキャッシュ運用、結局は損する訳
MMFが記録的な人気となっているが、金融アドバイザーはキャッシュでは株式や債券の代わりにならないと話す
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