これはグローバル化の相矛盾する筋書きを示唆する二つの数字に関するコラムだ。過去15年間にわたり、自然の成り行きで脱グローバル化が進んでいるとのコンセンサスが醸成されてきた。こうした主張を裏付ける、一つの良く知られた数字がある。世界の生産に占める貿易の割合は、金融危機の入り口にあった2008年にピークに達し、その水準を回復したことがないというものだ。しかし、2人の若手エコノミスト、ジョージタウン大学のシャラト・ガナパティ(Sharat Ganapati)氏とオレゴン大学のウォーン・フーン・ウォン(Woan Foong Wong)氏が示した新たな測定基準は、正反対のことを伝えている。それは、かつてないほど多くのモノが、これまでよりも長い距離を移動しているということだ。
脱グローバル化は本当か、通説に逆行する新事実
ドル換算貿易額のGDP比ではなく、貨物輸送量で見れば貿易は依然拡大中
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