ロシアの戦費を抑制する目的で西側諸国が設定したロシア産石油の価格上限は、効力をますます失いつつある。最新の証拠は3日に公表された統計だ。ロシアの国家財政における10月の石油・ガス税収は9月の2倍超となり、前年同月からは4分の1以上増えた。これは、同国のエネルギー収入が急減した今年初めの状況からの著しい改善を示すものだ。昨年12月に設定された価格上限は、二つの目的を達成するはずだった。世界市場へのロシア産原油の供給を確保することでガソリン価格を低水準に維持する一方、ロシアが販売する石油1バレル当たりの収入を減らすことだ。しかし、こうした制裁措置は当初こそおおむね期待通りに機能したものの、その後はロシアがこれを回避する方法を見つけた。価格上限の効力が限られる老朽タンカーを使って石油を輸送することだ。ロシア産石油の販売価格の国際価格に対するディスカウント幅は縮小しており、ロシアの軍事費拡大を招いている。
ロシアが大もうけ、石油価格上限逃れで
老朽タンカーで輸送、G7の制裁効果低減
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