世界中のコンクリート工場から、ディーゼルミキサー車が砂や砂利、水、セメントを練り混ぜて環境汚染物質を発生させながら生コンを運んでいる。米首都ワシントン郊外のある施設では、この工程をクリーン化するために配合しているものがある。二酸化炭素(CO2)だ。「グリーン」コンクリートと呼ばれるこの混合素材は、環境負荷が特に大きいこの業界のCO2排出量を削減することができる。規制当局の承認や地域の支援が必要な地下注入井やパイプラインに代わる、新たな炭素貯留方法として注目されている。世界の気候変動に関する目標を達成できるほど大量の炭素をグリーンコンクリートが貯留することはできないが、コンクリートのCO2排出問題について他の方法が見つかるまでの、当座の部分的な解決策にはなる。政府による支援や、米アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどの企業が投資していることが追い風となり、機運は高まっている。