非政府団体(NGO)「人権のための医師団」のサマン・ジア・ザリフィ氏は、病院や医療従事者を保護するという規範は近代戦争法の枠組みで最も古くから定められているものの一つであるにも関わらず、ここ数年はこれが損なわれつつあると述べた。同NGOのエグゼクティブディレクターを務めるザリフィ氏は、戦闘員らが占拠しているとの理由でスリランカ軍、ロシア軍、シリア軍に加え、イラクやアフガニスタンに駐留する米軍が病院や医療施設を攻撃していると指摘。また、シリア内戦では政府が反体制派組織から領土を奪還した際、病院から人々を強制的に立ち退かせたという。さらにウクライナでは現在の戦争が始まって以降、ロシア軍がウクライナの医療機関を1000回以上攻撃したと同氏は述べた。