自分の好みは捨てなさい、ビジネスで結果を出すリーダーが選ぶ服デキるビジネスパーソンなら、クローゼットを充実させたい  (写真はイメージです)Photo:PIXTA

管理職、リーダー職ともなれば、服装もおろそかにはできない。国際イメージコンサルタントの吉村ひかるさんが、ビジネスパーソンに向けて、仕事で成果を上げるために「これだけは押さえたい」ファッションポイントを伝授。(取材・文/フリーライター&エディター 増澤曜子)

ポジションが上がったら
服装もグレードアップすべし

「私が13年前にイメージコンサルタントを始めたころには、スーツをどう着こなしたらいいかわからないという企業のトップや管理職のご相談が圧倒的に多かったのですが、今は、カジュアルかつリーダーらしくするにはどうしたらいいか、というご相談が増えてきました」
 
 こう語るのは、国際イメージコンサルタント(Certified Image Professional)の吉村ひかるさん。「イメージコンサルタント」という職業は、1960年のアメリカ大統領選挙でジョン・F・ケネディを勝利に導いたアドバイザーが始まりだとされる。

 初めて導入されたテレビ討論会で、無名に近いケネディは、服装をはじめとする「印象管理」の原型ともいえる手法を導入し、対立候補のニクソン副大統領を破り第35代大統領となった。
 
 吉村さんは、三越百貨店を経てアメリカでイメージコンサルタントの資格を取得。自分自身の印象を自分でマネジメントする「印象管理」のメソッドを駆使して、企業トップや管理職などリーダーたちの服装に関してコンサルティングを行っている。

「リーダーは部下に信頼されないと、成果を上げることができませんよね。ご自身に実力があっても、部下にあなどられていると結果を出すことは難しいと思います。ある営業チームのリーダーが服装をイメージチェンジしたら、部下たちがいい意味で驚いて、そして自分たちも真似をして服装を整えるようになりました。すると顧客の評価が上がり、チームの業績が上がった例もあります」
 
 また、服装はキャリアアップするたびにグレードアップしていくべきものでもある。

「7年ほど前に、あるコンサルタントの方が相談にみえました。服装に関していろいろアドバイスをしまして、お帰りになりました。実は、そのときはまだアシスタントでコンサルタントではなかったことが後にわかるのですが、その後アシスタントからコンサルタントに昇格され、さらにチームリーダー、日本支社のトップ、本国本部のボードメンバーと順調にキャリアをアップされています」

 このクライアントは、ポジションがアップするたびに相談に来るという。ポジションが上がると部下が増えたり、対外的に商談をする相手も変わることが多いため、服装などの「印象管理」も変える必要があるのだ。