自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が、同じ悩みを持つ人々へ苦しみから抜け出す糸口を綴った書籍『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(シェリー・キャンベル著 ダイヤモンド社)から抜粋し、再構成して紹介します。
「捨てられる」から生じる
怒りと恐怖、自己嫌悪
自己嫌悪は主に、性的・身体的・精神的虐待やネグレクト、捨てられるなどのトラウマに原因があります。
捨てられる気持ちを味わうと、守ってくれる人も、飢えに気づいてくれる人もなく、一生独りなのではないかという根源的な恐怖が湧き起こります。
そして、この恐怖から、激しい怒りの感情が生まれます。
これほどまでに大きな不安、孤独感、自暴自棄な気持ちを抱えなくてはならないことに怒りを感じるのです。
愛情にしがみつこうとして、あまりに無力な自分に呆然とするでしょう。
無力感によって、さらに自己嫌悪が加速します。
あなたの毒家族が見返りなしには愛してくれなかったことを考えれば、自分を痛めつけたり、自分の欠点ばかりを気にしたり、最悪、捨てられたのも当然だと思い込んだりして、自分を厭(いと)うのが癖になっているのもうなずけます。
あなたは自分自身を敵に回してしまったのです。
自分の何が悪いのかはわからないまま、人格にひどい欠陥があるのだと信じ込んで生きています。
そして、捨てられる恐怖を味わうたびに、自分に何かしら取り返しのつかない欠点があるせいで愛されないのだ、と誤解してしまうのです。
常日頃から家族に非難され続けていると、家族を嫌いになるのでなく、自分自身を嫌いになってしまうのです。