FRB(米連邦準備制度理事会)保有証券のランオフ(償還
に伴う保有証券の減少)による今後の減少見込み額

日銀のYCC再柔軟化でも市場機能の回復は道半ば、FRBの保有資産減少も参考にFRB(米連邦準備制度理事会)保有証券のランオフ(償還に伴う保有証券の減少)による今後の減少見込み額 出所:NYFED "Open Market Operations during 2022" FRB "Recent Balance Sheet Trends"

 米国の長期金利は今年10月まで半年にわたって上昇し、一時的に5%を超えた。長期金利は、短期金利の予想とタームプレミアム(期間が長い債券の投資に伴うリスクを補填する上乗せ金利)から成る。最近の長期金利上昇は、インフレがピークを越え、利上げの打ち止め感が広がる中で生じていることから、タームプレミアム上昇の寄与が大きかったようだ。

 タームプレミアム上昇の背景には、国債の需給悪化への懸念がある。需要面ではFRBのランオフ(償還に伴う保有証券の減少)に加え、海外通貨当局や日本の投資家が購入を消極化している。供給面では、米国債の発行増や予算成立を巡る混乱などが挙げられる。