米国における女性(25~54歳)
の労働参加率(2022年)

米国の女性労働参加率はコロナ禍後に急上昇、経済軟着陸の援軍になるか米国における女性(25~54歳)の労働参加率(2022年) 出所:経済協力開発機構

 女性の社会進出において、米国は先進各国の後塵を拝している。米国の女性の労働参加率は76.4%(25~54歳、2022年時点)と、G7諸国ではイタリアに次いで低い。80年代まで先頭集団にいた後、90年代以降は停滞して他国に差をつけられてきた。日本も14年に米国を追い抜き、82%に達している。

 ただ、コロナ禍からの回復局面で、米国女性の労働参加率の上昇は目覚ましい。そして、これがインフレ退治に苦戦している米国経済を軟着陸させる強力な援軍となっている。大幅な利上げ後も失業率が歴史的低位にとどまり、賃金上昇率の低下が進まないことが中央銀行を悩ませているからだ。