「GAFAM」除けば日米の株価成長は同じ?企業再編から考える米国経済の強さPhoto:PIXTA

日米の株価パフォーマンス比較
その差はどこから生まれるのか

 我が国はスタートアップ企業の創出を重要政策に掲げている。その一環であろうか、興味深い政府資料がある。それを元に弊社で編集作成した図表を2点紹介する。

 下図は日米の過去10年間の株価パフォーマンス比較である。米国はS&P500、日本はTOPIXを用いており、2013年9月を100として指数化している。

 コロナ禍で中央銀行が流動性供給を増加させた2020年以降、日米ともに株価の上昇が顕著だ。ただし、指数の現在の水準は、米国が250であるのに対し、日本は200と米国が50ポイントほど優勢だ。

 下図は別の景色を提供する。21世紀初頭の米国経済を牽引したGAFAM(Googleなど新興IT企業5社の総称)とそれ以外の米国企業の各株価パフォーマンスだ。

 GAFAMを除くS&P500(S&P495?)はTOPIXの動きと大差ない。米国株式市場の好況は結局GAFAMの存在次第ではないか、と反射的に考える向きもあろう。

 実際、先の政府資料の中でも、二つ目の図を踏まえて「世界で戦えるスタートアップを早急に創出しなければ日本と世界の差は開くばかり。」と記述されている。