筆者は2週間前、景気が非常に良いというデータが出ているのになぜ米国人はそんなにうんざりしているのか、と質問してみた。ずれはその後も大きくなる一方だった。折しもインフレは10月に鈍化したことが分かり、このところの米国株と債券の上昇基調に弾みがついた。それにもかかわらず、米ミシガン大学の消費者信頼感指数は低下し続けている。多くの読者にとって気がかりなのは、物価上昇が緩やかになっていることを意味するに過ぎないインフレ率の低下より、物価が3年前に比べてあまりにも高いことなのは明らかだ。また、全てのインフレが同質ではないのも明白だ。特に注目されているのは、ガソリン、食品、住宅だ。ガソリンと食品は家計の大きな部分を占め、週に一度は買いに行くため、値段が上がったり上がり続けていたりすれば気が付く。また、どちらも値上がり幅が際立って大きい。2021年1月以降の上昇率は、食品とエネルギーを除く米消費者物価指数(CPI)が15%であるのに対し、ガソリンは43%、食品は20%だ。