株式投資家は一足早いクリスマスプレゼントを手にしている。米企業の好調な7-9月期(第3四半期)決算と低下傾向にある米インフレ率だ。だが、こうした好材料はすでに織り込まれており、利回りが高い債券との厳しい競争もあるため、例年に比べると季節的な株高の余地は少ない。14日に発表された米消費者物価指数(CPI)上昇率が予想を下回ったことで、投資家心理は楽観に傾いている。それ以降、S&P500種指数は2.1%高、ストックス欧州600指数は1%高となっており、11月に入ってからの反発で8月初め以降の下げ幅をほぼ帳消しにした。年初来ではそれぞれ17%高、6%高だ。こうした展開になった背景には、個人消費に関する統計がまずまずだったことに加え、7-9月期の米企業決算が、出足こそ鈍かったものの、最終的に市場予想を上回ったことがある。多くのエコノミストが不可能だと考えていた「ソフトランディング(軟着陸)」説は、今では最も有力視されているようだ。
米国株、年末ラリーの舞台は整ったか
株価見通しは改善も、高金利が出遅れセクターに与える影響と割高感は消えず
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