筆者は、吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めています。私の探偵歴十数年の中でさまざまな案件を取り扱いました。案件の8割ほどは不貞調査、いわゆる浮気調査です。パートナーの不貞を確信して自身で、または友達の力を借りて、その証拠を得ようと考える方は意外と少なくありません。私たち探偵にご相談いただいた際に、そうやって手に入れた証拠を見せていただくことがありますが、ほとんどは裁判を有利に運べる証拠たり得るものはありません。今回は“裁判で使えない証拠”についてご紹介いたします。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳)
感情的な浮気と
法律上の浮気の違いとは?
私たち探偵は、浮気を感情的な浮気と法律上の浮気に分類しています。
パートナーが異性と二人きりで楽しそうに食事をしていたり、堂々と手をつないで歩いていたり、抱き合ったり、キスをしていた。
あなたが偶然このような状況を目撃したとします。感情としては浮気だと認定される方がほとんどだと思います。ところが法律的に見ると必ずしも浮気とはならないのが現実で、これはあくまで感情的な浮気に分類されます。裁判で争う際の判断基準になる法律では、浮気=不貞行為です。不貞行為とは、浮気=不貞行為=性的関係となります。