職場にいる「いつまでもミスを引きずってしまう人」と「メンタルの切り替えが上手な人」の決定的な差とは

2023.11.30 4:13

本多正識

ほんだまさのり

[漫才作家・吉本興業NSC講師]

漫才作家・吉本興業NSC講師
1958年大阪府高槻市生まれ。
1979年にラジオ大阪『Wヤングの素人漫才道場』のコーナーに11本連続で漫才台本が採用されたことがきっかけで漫才作家を志した。その後、大阪シナリオ学校通信教育部を卒業（14期卒）、1983年に漫才作家集団「笑の会」に参加した。1984年にオール阪神・巨人の台本を執筆し、ブレーンの1人となり、漫才師や吉本新喜劇に台本を提供、1991年に読売テレビ『上方お笑い大賞』にて秋田實賞を受賞。1990年にはNSCの講師に就任し、担当した生徒数は1万人を超え、ナインティナイン、キングコング、南海キャンディーズ、ウーマンラッシュアワーなどの芸人を指導した。
『M-1グランプリ』『キングオブコント』では審査員を務め、2017年のNHK連続テレビ小説『わろてんか』では脚本協力・漫才指導で参加した。
近年では自身の体験も踏まえ、著書などで子どもたちに「いじめのない、笑いのある未来を」というメッセージを発信している。
2021年NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』にて特集回放送、2022年NHK『アナザーストーリーズ運命の分岐点』に出演。
現在、『日刊ゲンダイ』にコラム掲載、ポッドキャストで『本多正識の芸人よもやま噺』配信中。主な著書に『素顔の岡村隆史』（ヨシモトブックス）、『笑おうね　生きようね』（小学館）など。

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メンタルの切り替えが上手な人の考え方

　対して、メンタルの切り替えが上手な人は「原因と結果」にだけ目を向けて考えることができます。

　ミスが起きたときに、「ミスをした事実」だけに目を向けて「自分は仕事ができない」などの感情的なことは一旦脇に置いておきます。そうすることでミスをしたときも、自分で心の傷を広げることなく対処できるのです。

　加えて、「どうしてそのミスが起きたのか」をしっかりと考えることによって次への対策を練り、自分の成長へと繋げていくのです。同じミスでも、引きずってしまう人とは雲泥の差でしょう。

　私のいるNSC（お笑い養成所）でも、ミスや失敗に対する考え方で生徒の成長の仕方は大きく変わります。ネタ見せの際に思い通りにいかなかったとき「どうしてだと思う？」と聞くと、失敗を引きずってしまう生徒は「才能がないのかもしれない」「練習が足りなかった」とすぐに口にします。

　対して、メンタルの切り替えができる生徒は「ツッコミのタイミングが早すぎた」「わかりづらい言葉を使ってしまった」とすぐに改善できることがポンポン出てくるのです。

　どちらが芸人として成功するかは言うまでもありません。

　ミスや失敗は辛いものです。ですが、それは挑戦したからこその結果であって、否定されるものではありません。大事なのはそこからどう自分を立て直すかです。ちょっとした意識の差で変えられることですので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。

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