社長は企業の顔だ。歴代の社長の顔触れや系譜、給料をひもとけば、その企業のキャラクターが見えてくる。特集『出世・給与・人事の新ルール』(全10回)の#1では、主要8業種40社で、役員の平均報酬額リストを作成し、従業員の平均年収と比較した。また、併せて過去10年の社長リストを掲載、社長の系譜が浮かび上がった。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
社長のキャラや業績のバロメーター
「社長の年収」を大公開!
「事業は人なり」――。そう言い残したのは、パナソニックホールディングスの創業者にして「経営の神様」とうたわれる、松下幸之助である。松下はこれを、経営手法以上にそれを生かす人の能力を引き出すことが経営者にとって肝要という意味で用いた。
だが、松下の意でなくとも、やはり「企業は人なり」である。企業の社長の顔触れや経歴などは、その企業の格やキャラクターを如実に表すアイコンだ。
とりわけ企業の特徴が浮かび上がるのが、「社長の年収」だろう。業績連動型の報酬制度が一般的な昨今、社長の年収の高さは企業の好調ぶりのバロメーターといえる。
それだけではなく、強烈な個性の持ち主や過去に多大な実績を上げてきた社長であれば、業界での相場や社内での平均的な報酬水準を大きく超えて多額の報酬を得ている場合もある。いわば社長の「キャラクターの濃さ」や「支配力の強さ」を示す指標でもあるのだ。
そうした企業の特徴を報酬の面からあぶり出すべく、主要8業種40社について役員報酬の平均額をリスト化した。また併せて、歴代社長の系譜も掲載した。果たして、役員が「高給取り」な企業はどこなのか。次ページで年収の「生データ」を公開する。