絶対やってはいけないこと

「役員報酬は『定期同額給与(毎月同じ額を支払う)』『事前確定届出給与(いつ、いくら賞
与を支給するかをあらかじめ届け出ておき、その通りに支給する)』という2つのルールに則らなければいけなくて、とても面倒だ」

「だから、家族を役員ではなく、従業員として雇えばいいのでは? そうしたら、利益が出たタイミングで決算賞与を出したり、好きに給料を上げ下げできたりするのでは?」

 これは非常に危険なので、絶対にやめましょう。

 中小企業で、その家族がたとえば採用担当や金融機関対応など、何らかの形で経営に従事している場合は、みなし役員となる可能性が高いからです。

 みなし役員とは、税法上の役員のことです。登記されていないけど、税法上、役員と同じように取り扱われる立場を指します。同族会社の場合、特に厳しくチェックされます。

 家族が従業員として働いていたとしても、好き勝手に報酬を上げ下げすることはできないと考えてください。

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)