うっかりした一言で職場の空気を凍らせてしまった経験は、誰だって一度や二度はあるでしょう。その言葉を受け取った相手の気持ちを想像すれば、もっと別の素敵な言い方があったはず!『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』(ダイヤモンド社)では、対上司、対部下、対同僚、対お客様…それぞれの場面別で話し方の失敗例と成功例を解説しています。コミュニケーションの現場で揉まれてきた元客室乗務員が教える「魔法のフレーズ」集から、すぐに使えるものをピックアップしてお伝えします。コミュニケーションひとつで職場の雰囲気は明るくなり、あなたもきっと信頼される存在になれる!(初出:2022年11月21日)
人は責めずに、事情を尋ねる
<NG>なぜミスしたんだ!
↓
<GOOD>なにがあって、ミスが発生したの?
物事の原因を明らかにすることが必要なときはあります。例えば、残業が続いているとき。「最近、なぜ残業が続いてるの?」「すみません、仕事が終わらなくて」「なぜ終わらないんだよ、そんなに多くの仕事渡してないはずだよ」「すみません、飛び入りの仕事が多くて」「なぜ繁忙期でもないのに、飛び入りの仕事がそんなに多いんだよ」「すみません、自分のマネジメントがうまくいってないからですかね」「なぜ…」。
このように「なぜ」を繰り返して原因を究明すると、相手は自分が責められているように感じてしまいます。そんなときは、「なぜ」を「なに」に変えましょう。「なにがあって、残業がそんなに続いているの?」という感じです。
「なぜ遅刻したの?」は、「なにがあって、遅刻したの?」となります。
「なぜミスしたんだ」は、「なにがあって、ミスが発生したの?」です。
目的はどちらも、原因を究明するための質問なのですが、「なぜ」という表現だと、相手に原因があると決めつけているような表現になってしまいます。
一方、「なにがあって」という表現は、原因が物事や環境などにあったかもしれないというニュアンスも含まれるので、人を責めている感じはなくなります。
「なぜ」は「なに」に変えると覚えてください。
※当記事は、『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』から抜粋・編集したものです。
株式会社Life is Love代表取締役。日本コミュニケーション能力認定協会本部トレーナー/上級トレーナー
大分県出身。1998年、沖縄へ移住。日本トランスオーシャン航空株式会社にて14年間客室乗務員として勤め、安全と顧客満足の追求、そしてチームづくりは人づくりであることを現場で学び・実践。2012年、沖縄では初となる働き方改革コンサルティング会社を設立。「あらゆる多様性を可能性に変える」という理念のもと、組織開発コンサルティングや次世代リーダー育成、チームビルディングなどの実績多数。またダイバーシティや女性活躍推進などの研修も行う。クライアント企業は医療・不動産・観光・製造販売・IT通信・エネルギー・保育・建設など多岐にわたる。企業支援数500社以上。登壇回数は2000回を超える。『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』がデビュー作