うっかりした一言で職場の空気を凍らせてしまった経験は、誰だって一度や二度はあるでしょう。その言葉を受け取った相手の気持ちを想像すれば、もっと別の素敵な言い方があったはず!『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』(ダイヤモンド社)では、対上司、対部下、対同僚、対お客様…それぞれの場面別で話し方の失敗例と成功例を解説しています。コミュニケーションの現場で揉まれてきた元客室乗務員が教える「魔法のフレーズ」集から、すぐに使えるものをピックアップしてお伝えします。コミュニケーションひとつで職場の雰囲気は明るくなり、あなたもきっと信頼される存在になれる!(初出:2021年11月17日)
頼み方ひとつで部下のやる気はアップする
<NG>この仕事やっといて
↓
<GOOD>この難易度が高い仕事は、○○さんにしかできないと思ってね。お願いできるかな?
仕事ができる人に仕事が集まる、と良く言われます。
上司は、○○さんならこの仕事もできるだろう、と期待をして依頼をしています。しかしその期待や信頼の部分を相手に伝えないまま、業務の依頼だけしていませんか?
お客様にもそうですが、プラスアルファの一言は、部下にも大事です。淡々とこなしてくれる人であればなおさら、上司から感謝の気持ちや頼りにしているという言葉を付け加えると、やる気に影響を与えるものです。
伝えるときには、「私はこう思う」という伝え方をすると相手に届きやすいです。
例えば、「この仕事やっといて」というのは、「あなた、この仕事やっといて」というふうに「あなた」が主語になっています。これを「私」を主語に変えて伝えます。「(私は)あなたしかこの仕事をできる人はいないと思うんです」となります。
このままでは、少しかたいのでプラスアルファの言葉を付け加えて、「この難易度が高い仕事は、○○さんしかできないと思ってね。お願いできるかな?」と伝えてみましょう。部下は自分の能力を認めてくれているんだな、と実感を得ることができ、前向きな気持ちで引き受けてくれます。
ただし、いつもこれで乗り切るのは負担をかけることになる場合もあるので要注意。全員がスキルアップできるように、育成と仕事の配分をすることも忘れてはいけません。
※当記事は、『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』から抜粋・編集したものです。
株式会社Life is Love代表取締役。日本コミュニケーション能力認定協会本部トレーナー/上級トレーナー
大分県出身。1998年、沖縄へ移住。日本トランスオーシャン航空株式会社にて14年間客室乗務員として勤め、安全と顧客満足の追求、そしてチームづくりは人づくりであることを現場で学び・実践。2012年、沖縄では初となる働き方改革コンサルティング会社を設立。「あらゆる多様性を可能性に変える」という理念のもと、組織開発コンサルティングや次世代リーダー育成、チームビルディングなどの実績多数。またダイバーシティや女性活躍推進などの研修も行う。クライアント企業は医療・不動産・観光・製造販売・IT通信・エネルギー・保育・建設など多岐にわたる。企業支援数500社以上。登壇回数は2000回を超える。『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』がデビュー作