SNSを使う上でのこだわりは、ありのままの自分でいることです。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと忖度なくいられればと思います。そのため、広告っぽいことはやりたくないです。

──音声メディアにも注力されていますね。

はい。音声配信アプリ「stand.fm」などを使って音声メディアでも情報発信しています。

音声メディアは間口がせまい分、人と深く繋がることができるメディアだと思います。柔らかい考えのままの情報を提示できますし、気持ちが揺さぶられるような情報の場合は共感を呼びやすいのも音声メディアの特徴です。

短尺文字メディアの情報発信は、目にした人の過半数が内容を読みます。一方、音声メディアの場合は情報を最後まで取得するのに10分費やすとわかると、目にした人の2割ほどしか最後の情報にたどり着かないのが現実でしょう。そのため必要以上にバズらないのが利点ですね。一部を切り取られて恣意的に扱われることも起きにくいです。

同じ空間を共有してコミュニティ形成

イベントに登壇する上原氏
イベントに登壇する上原氏(写真左)

──イベントでは起業に役立ちそうなコミュニティを作ろうとしたのですか。

はい。人が集まる場を自ら作ることは人との繋がりを作ることとも言えますし、それ自体が楽しく価値があることです。イベントの回数を重ねるごとに参加者からの信用を獲得でき、結果的に参加者が私の活動をサポートしてくれたこともあります。

イベントを開催するときは、抽象度が高いオープンなテーマを設定して、何か新しいことを始めようとする人が集まる場を作るようにしています。専門知識を得ることが目的というより、多くの人とつながる場を用意することを意識しています。

──イベント開催やコミュニティづくりをするときのポイントは何ですか。

恥ずかしがらずに情報発信することです。起業にまつわることを発信するとき、周りと比べて専門性がなく自信がないことから、情報発信しない人が多い。みなさんが持っている知識や知恵、感情を世に出すことは、他の人にとって価値のあることですよ、とお伝えしたい。

──リモートワークが普及したこともあり、地方でも環境が整った状態で仕事できるはずですが、東京に集まることも多いですよね。

本質的にリモートワークにした方がよいものと、そうではないものがあることに気づきました。意思決定のための議論はオンラインで十分ですが、創発や発散系の議論は対面がよいですね。マイネットでは95%はオンライン、残りの5%はオフラインで創発や発散系の議論の時間に当てています。