Photo by ThisisEngineering RAEng on Unsplash
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2021年の新語・流行語大賞に「フェムテック」がノミネートされるなど、今まで以上に大きな注目を集めたフェムテック業界。

女性の健康とウェルネスに特化したVC・Coyote Venturesと、フェムテック領域の情報配信やスタートアップサポートを行うNPO団体・Femtech Focusの予測によれば、フェムテック市場は2027年までに1兆1860億ドル(約138兆円)の市場規模にまで成長するという。今後さらなる成長が期待されるフェムテック市場だが、2022年以降は具体的にどのような領域が盛り上がるのか。

今回の記事では、Coyote VenturesとFemtech Focusが出版する2021年のフェムテック市場総括レポートの一部を解説しながら、Coyote Ventures創業者の2人にフェムテック市場の課題や可能性、2022年に注目する領域などについて聞いた。

女性の健康とウェルネス特化のVC・Coyote Ventures

(写真左から)ジェシカ・カー氏、ブリタニー・バレット氏  Coyote Venturesサイトより
(写真左から)ジェシカ・カー氏、ブリタニー・バレット氏 Coyote Venturesサイトより

Coyote Venturesは、女性の健康とウェルネスに特化した、主にアーリーステージのスタートアップに投資するVCだ。植物由来の人工肉などを開発する「Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)」の12番目のメンバーとして、新製品の開発・発売をリードしたバイオ研究者のジェシカ・カーと、米国最大のフェムテックコミュニティ・Femtech Focusを設立し、分子・ヒト遺伝学でPhD(博士号)を持つブリタニー・バレットがタッグを組む形で2021年に誕生した。

最近のフェムテック業界への注目を受け、さまざまなフェムテックリサーチ団体やファンドが誕生しているが、筆者は個人的に同社のリサーチは最も信憑性のある情報源のひとつだと感じている。主な投資領域は、コンシューマー向けの製品やサービス、デジタルヘルス、最低限の法的管理が必要なクラスIの医療機器だ。昨年の設立以来、すでに4社に投資している。投資先を簡単に紹介する。