人口の半分以上をターゲットとしているフェムテック。米調査会社CB Insightsが発行したレポートでは、現在のフェムテック市場は350億ドル(約3.8兆円)で、2025年までに500億ドル(約5.5兆円)にまで拡大すると予想されている。また、米国のフェムテック専門ファンド・Coyote Venturesは、2027年までに1.18兆ドル(約129兆円)にまで成長する見込みだ。
急成長が期待されているにも関わらず、フェムテック企業のCAC(顧客1人を獲得するために費やすコスト)は、通常の2倍以上だという。
その理由の1つとして、Facebookや地下鉄、イベントなどの広告プラットフォームによる理不尽な検閲、「広告の不平等」があると言われている。実際、男性向け製品であるバイアグラや、勃起不全(ED)、抜け毛などに悩みを持つ男性向けのデジタルヘルス企業・Himsなどの広告は問題無いとされているのに対し、女性向けの遠隔医療やセクシャルウェルネス製品の広告は、“不適切である”と拒絶されるケースがあるというのだ。
今回、そういった、セクシャルヘルスを含むヘルスケア広告におけるジェンダー平等をテーマに活動する非営利団体、Center for Intimacy Justiceを立ち上げた、ジャッキー・ロットマン氏に話を聞いた。
“不適切な内容”のダブルスタンダード
米国の広告業界では、「一般大衆を不快な気分にさせない」とするガイドラインがあるが、これは男性向けと女性向けのソリューションにおいて対応が変わるなど、ダブルスタンダードの状態だという。そういった広告の不平等について、ロットマン氏が母校のスタンフォード大学ビジネススクールで講演した時の動画から解説していく。