その後、法人向けのコーチング事業を展開。2020年はコロナ禍で研修費用を削る流れもあり、思うように伸びなかったが、2021年に日系大企業のコーチングへの関心が高まり、導入企業数が増加。伊藤忠商事、江崎グリコ、メルカリ、ヤフーなどの企業で導入が進み、2021年の売上は初年度比20倍の規模にまで成長を遂げている。

mento代表取締役の木村憲仁氏
mento代表取締役の木村憲仁氏

2022年4月には米シリコンバレーに拠点を置くVC・WiLから総額3.3億円の資金調達を実施したほか、社名をウゴクからmentoに変更したほか、コーポレートブランドのリニューアルを実施。現在はサービス拡充のため、人材採用の強化に力を入れている。

今後はユーザーに対してはコーチのサポート役となる“AIコーチ”のようなソリューションなどの開発に取り組んでいくというmento。代表取締役の木村憲仁氏は「スタートアップの社会的使命は産業を効率化させ経済を最大化させるだけではなく、人が幸せに生きるための持続可能なシステムをつくることに変わりつつあると思います。私たちはその大きな潮流の先端を拓き、真に豊かな未来を実現します」と語る。

日本のキャリア市場の変革に取り組む「YOUTRUST」

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友人や同僚と仕事の話を楽しみながら、新しいつながりやキャリアに役立つ情報,、自分にあった仕事と出会える場所として、利用者を増やしていっているのがキャリアSNSの「YOUTRUST」だ。

iOSアプリをリリースした2021年4月には、実数は非公開ながら昨年同月比で累計ユーザー数は5倍以上に増えたほか、WAU(週間アクティブユーザー数)も15倍以上に増加。アクティブユーザー数が増えたことで転職・副業意欲の高い人と企業のマッチングも増え、売り上げも10倍以上になっている。

2018年4月のリリース当初は副業・転職をしたい人と企業がつながるマッチングサービスとしてスタートを切ったが、途中で方針を転換。「タイムライン(時系列で友人の投稿が見られる欄)」を導入し、自分の考えの共有やメッセージの投稿、友人や知人の副業・転職意向などが見える現在のかたちになった。

運営元であるYOUTRUSTの代表取締役を務める岩崎由夏氏は、新卒でディー・エヌ・エー(以下、DeNA)に入社し、人事として働いた経験を持つ人物。その経験をもとに、「転職エージェントに登録していくつか転職先の候補を紹介してもらうだけではない、新たな転職の仕組みをつくろう」と決め、YOUTRUSTを創業した。

YOUTRUST代表取締役の岩崎由夏氏
YOUTRUST代表取締役の岩崎由夏氏

YOUTRUSTは、2021年8月にデライト・ベンチャーズをリード投資家として、STRIVE、W ventures、ANRIから総額4.5億円の資金調達を実施。現在は新規ユーザーを獲得を目指して屋外広告(OOH)を筆頭に認知拡大の施策を実行していくほか、既存ユーザーのエンゲージメント向上のためのマーケティング施策を強化している。