米ソフトウェア企業のOracleが、短尺動画SNS「TikTok」のアルゴリズムやコンテンツモデレーションの監査を開始した。目的は中国当局による操作の有無を確認するためだ。関係者らによる証言をもとに、米ニュースメディア・Axiosが米国時間8月16日に報じた。
TikTokは以前より、米国人ユーザーのデータの扱いや、中国当局とのつながりが懸念されている。その信頼性を証明するため、米TikTokは6月までに、すべての米ユーザーのトラフィックを米国内にあるOracleのサーバーに移管。そのプロセスの完了を受けて、Oracleでは今月よりTikTokの監査を開始した。
Axiosによると、OracleはTikTokのアルゴリズムが期待通りに機能し、中国当局など外部からの操作がないかを確認する。コンテンツモデレーションについても同様に、定期的な監査も予定する。
TikTokをめぐっては、米国では今年も規制当局や議員らによる抗議の動きが目立っている。米ニュースメディア・BuzzFeedが6月に、TikTokの中国拠点の従業員が米ユーザーのデータにアクセスしていると、独自に入手した音声データをもとに報じたからだ。
そのため同月には米連邦通信委員会(FCC)がAppleとGoogleに、アプリストアからTikTokを削除するように要請。また米共和党の上院議員らもTikTokに、米ユーザーのデータの扱いについて説明を求めた。その結果、TikTokは中国拠点の一部従業員が米ユーザーのデータにアクセスしていたことを認めた。