LayerX代表取締役CEOの福島良典氏
LayerX代表取締役CEOの福島良典氏

「ブロックチェーン事業からの撤退」──ともすると、このように表現されがちなのが、Gunosy共同創業者である福島良典氏が率いるスタートアップ・LayerXだ。

同社はもともとGunosy子会社として2018年に創業し、2019年にはMBOを実施してGunosyから独立した。創業当初はブロックチェーンを軸に事業展開していたが、現在は主にFinTech領域のSaaSを開発・提供。請求書受領ソフトの「バクラク請求書」を筆頭に、クラウド型のワークフローシステム「バクラク申請」 、電子帳簿保存法対応ソフト「バクラク電子帳簿保存」、経費精算システム「バクラク経費精算」など、法人の支出管理領域にまつわるプロダクト群を展開している。

「ブロックチェーンに携わっていたのは、前半の2年だけ」と語る代表取締役CEOの福島氏。だが、「いまだにLayerXのことを『ブロックチェーン事業を展開する会社』と思っている人も少なくない」(福島氏)という。

創業2年でブロックチェーン事業からSaaSに舵を切った理由、そして競合ひしめくFinTech SaaS領域での勝ち筋や、LayerXが目指す世界について福島氏に話を聞いた。

「前半2年と後半2年では全く別の会社という印象」

──創業当初はブロックチェーン技術を使ってDXを推進していく事業を展開していたと思いますが、そこからSaaSに振り切ったきっかけには何があったのでしょうか。