金融政策決定会合後、会見に臨む植田和男日本銀行総裁金融政策決定会合後、会見に臨む植田和男日本銀行総裁 Photo:AFP=JIJI

7月決定会合、政策金利は据え置いたが、
半年に一回の利上げぺースが速まる可能性も

 日本銀行は7月29日、30日に開いた金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート、オーバーナイト物の誘導金利)を1%のまま維持することを賛成多数(7対1)で決めた。

 前回(6月)会合で0.25%幅の利上げした直後で、日銀はかねて利上げの経済や物価、金融への影響を丹念に検証する考えを強調していただけに、予想通りの結果といえる。

 こうした中で注目されるのは、今回改定の「展望レポート」が基調的な物価上昇率が2%物価目標を超えて上振れするリスクに警戒感を示したことだ。さらに金融環境が依然として緩和的であるとの理解も改めて強調された。

 物価の上振れリスクは、前回(6月)決定会合の利上げの際に新たな理由として提示されたが、植田和男総裁は今回の会合後の会見では、「基調的な物価上昇率が(物価目標の)2%に近づいている状況では、これまで以上に上振れリスクを認識する必要がある」と、強調。

 そのリスク要因として、原油の生産や価格を左右する中東情勢の今後の展開や、AI関連需要の拡大、円安が進む為替相場の動向の「三つの要因」を具体的に挙げた。

 展望レポートでは、景気は今後も緩やかな回復を続けていくとの見通しとともに、「基調的な物価上昇率は、「2026年度後半から27年度にかけて物価安定目標とおおむね整合的な水準になる」との見方が維持された。

 焦点は、今後の利上げのタイミングやペースをどうするかだ。

 植田総裁は具体的な言及を避けたが、「三つの要因」による直接的なインフレ圧力の強まりが一時的に止まったとしても、すでに上昇傾向にある基調的インフレ率が2%目標を超えて上振れするリスクに警戒感を示したわけだ。

 市場では、次回利上げは「12月」との予想がこれまで多数派だったが、日銀のこうした考え方を踏まえると、今後の利上げペースを従来のような半年に1回より速める可能性はある。