円安を食い止められるのは日銀だけPhoto:Bloomberg/gettyimages

 日本の当局は、米政府の支援を受けつつ、円相場を下支えするために繰り返し市場に介入せざるを得なくなっている。この「いたちごっこ」のジレンマから脱却するには、日本、特に日本銀行が、円安の根本原因に対処しなければならない。

 一つの視点から見ると、円は過小評価されているように映る。最近日本を訪れた旅行者に聞けば、誰でもその割安感を絶賛するだろう。1ドルが約80円で日本への旅行が手痛い出費となった15年前の円高時代とは隔世の感がある。

 では、1ドルで当時の2倍の円が買えるにもかかわらず、なぜ円売り圧力が続くのか。その答えは、財政と金融の両面に対する懸念の組み合わせにあるようだ。

 財政面では、高市早苗首相が方針を変える可能性は低い。安倍晋三元首相と同様に、日本が成長を維持し、長期のデフレスパイラルから脱却するためには景気刺激策が必要だと確信している。

 したがって、高市首相が円高誘導のために緊縮財政を支持するとは考えにくい。実際、首相は食品の消費税率を大幅に引き下げる計画を発表したばかりだ。首相が方針を変えないとすれば、残るは日本銀行だ。

 最近の円安は、日米の金融政策見通しのかい離拡大におおむね沿う形で進んできた。市場は現在、米連邦準備制度理事会(FRB)が近い将来に利上げを行う可能性が高いとみている一方、日銀はより慎重に動くとみている。

 日銀が9月に開催される次回の金融政策決定会合で、6月の利上げに続いて再び利上げを行えば、この認識を容易に変えられるだろう。