2001年にソーシャルゲーム会社・ウノウを創業し、2010年に米Zynga(ジンガ)に売却。その後、世界一周を経験した山田進太郎氏。世界各国を旅する中で見いだした課題をもとに、彼が2013年2月1日に立ち上げた会社がメルカリだ。同社が展開するフリマアプリ「メルカリ」は大きく成長を遂げ、月間利用者数は2075万人、累計出品数は30億品を突破。多くの人々の生活に欠かせないサービスとなり、2022年6月期の売上高は過去最高の1470億円を記録するなど、今もなお成長を続けている。
今日で立ち上げから10年が経ったメルカリ。このタイミングで会社のミッションを「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」から「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」に変更し、さらなる成長を図っていくという。
華々しい成功譚の裏では、現金出品問題や数々の新規事業の失敗なども経験してきた。スタートアップの創業10年後の生存率は6.3%と言われるが、メルカリ創業者であり、代表取締役CEOの山田氏は「創業からの10年」を振り返って何を思うのか、そして「今後の10年」をどう考えているのか。山田氏に話を聞いた。
達成感はあるが、これで満足したというわけでもない
──創業から10年がたちました。昨年の取材で「山の何合目にあたりますか」と尋ねたときには「まだまだ」とのことでしたが、どう振り返りますか。
その時にも同じようなことを言いましたが、ミッションで「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」と言ってきているので、そういう意味では全然できてないという感じはあります。