SlackとMicrosoft Teamsの相違点は、顧客にとっても市場にとっても明確になってきていると考えています。Teamsにあって、Slackにない機能もあれば、逆もしかりです。Slack Connectは更なる差別化に繋がる大きな要素となったと言えるでしょう。

Slackが抱える顧客の多くはMicrosoftの顧客でもあり、Microsoft 365を利用しています。365を利用している場合はTeamsも無料で利用できるため、多くの顧客はSlackとTeamsを併用しています。Teamsは我々がZoomを使うように、ビデオ会議ツールとして使われていることが多いです。

SlackではTeamsと争うために行っていることは特段ありません。Slackにはツールとして目指すべき理想が明確にあり、Teamsと争うためにその理想を犠牲にすることは今後もあり得ません。

——TeamsのDAUは4月に7500万人に到達しました。Slackは2019年10月に1200万人に到達したと明かした以来、発表していません。コロナ禍でDAUはどのように推移しましたか。

Slackの規模が小さかったころは、急成長を証明するためにもDAUは重要な指標でした。現在の成長を証明するにはより重要な指標があります。

その重要な指標とは、有料顧客数です。(第2四半期の)新規有料顧客の獲得数は約8000件で、約5000件だった前年(同期)と比較して約16%増加しています。

Microsoft 365を利用していれば、Teamsは無料で利用できます。ですからTeamsのユーザーエンゲージメントは低く、DAUはMicrosoftが自慢できる唯一の指標なのです。