エンジニア、それもフリーランスのエンジニアというと「引く手あまたの売り手市場」「能力次第で高い報酬が得られる」といったイメージがあるかもしれない。しかし実際には、年齢とともに単価を下げざるを得ず、徐々に低い単価でも仕事が取れなくなるエンジニアや、若手でどのようにキャリア形成すればいいか分からず、与えられた仕事をこなしながら不安を抱えるエンジニアも多いという。
一方、エンジニアに仕事を依頼する側の企業、特にスタートアップや中小企業では「欲しいスキルを持ったエンジニアに巡り会えない」という問題があるだけでなく、「そもそもどういうスキルの人に来てもらうべきなのかが分からない」という企業が少なくない。
この双方の課題を解決するための採用支援サービスが、スタートアップのValue market(バリューマーケット)が提供する「Code Climber(コードクライマー)」だ。
50歳にして仕事がなくなったエンジニアに亡き父の姿が重なる
Value market代表取締役の内田裕希氏は、楽天の出身。ECモールの新規出店営業を9年担当した後、2016年にフードロス問題を農家と消費者のマッチングにより解決するサービスを検討し、Value marketを立ち上げた。だが当初手がけた事業は思うようにいかず、一時、会社は休眠状態になる。
その後、内田氏は人材紹介スタートアップに「最初は副業として」参画し、後に執行役員として採用、営業、総務、法務など事業にかかわる業務全般を担当した。そして、この企業の売却が決まり、引き継ぎが完了するまでの1年半、フリーランスの紹介事業に携わったのだが、この時に知ったエンジニア人材の課題が、再独立した現在の事業展開につながっている。