さらに米国時間10月7〜9日に開催された年次イベントの「Slack Frontiers」では、全てのSlackユーザー間でのダイレクトメッセージを可能にする新機能「Slack Connect DM」(2021年初頭に提供開始予定)や、Discordのようなプッシュツートーク式の音声チャット機能(提供開始時期は未定)を追加する方針を発表した。Slackはリモートワークを支援し、かつメールを置き換えるツールとしての進化を遂げている最中なのだ。

リモートワーク時代におけるSlackの新たな役割、そして競合との関係をどのように見ているのか、バターフィールド氏に聞いた。

——Slackのスタッフは現在フルリモートで働いていると聞きましたが、いつ頃オフィスでの勤務を再開する予定でしょうか。Slackにとってオフィスの意義とは。

従業員がいつからまたオフィスで働き始めるのかというスケジュールは、今のところ明確には決まっていません。希望するのであれば、これからもずっとリモートで働いても構わないとは伝えています。

Slackでは「future forum」という新たな調査組織を9月に組成したのですが、世界中の数千人ものビジネスマンに調査を実施して明らかになったのは、「これまでの働き方に戻りたい」と希望しているのはたった12%の回答だったということです。大半の人たちは、より柔軟な働き方を希望しています。

オフィスにはさまざまな役割があると思うのですが、その機能は分散できるのではないでしょうか。会社のロゴを掲げた、サンフランシスコにある我々の本社は、お客さんや採用候補者を招いたり、全社集会を開催したり、人々が交流するにはもってこいです。

ですが、工場式農場の野菜や家畜の鶏のように、会話をするわけでもないのに、パソコンを置いたデスクをくっつけて、窮屈な環境で働く意味はどこにあるのでしょうか。単にパソコンでの作業なのであれば、どこでも仕事をすることは可能です。

オフィスのあり方については今後も検討を続けます。オフィスから離れた地域に住む従業員は、フルリモートで働きつつも、年に数回程度は顔を出してもらうのが良いかもしれません。オフィスの近くに住む従業員は、毎週もしくは隔週、集まってアイディアを出し合い、優先順位を決めてから、作業に取り組むことが理想的かもしれない。作業場所はオフィスでも自宅でも、コワーキングスペースでもお気に入りのカフェでも構わないと思っています。