もともとは2012年に別会社を共同創業したのが始まり。最初の数年は各々の経験も生かしながらマーケティング領域のコンサルティングやホームページの受託開発、自社ECなど複数の事業に取り組んだ。
そんな中で“自分たち自身がECを運営する中で感じた課題”を解決するべく、自社ツールのような形で考案したのがロジレスのタネとなるアイデアだった。
「3人のうちの1人が朝から夜まで梱包作業に追われているような状態でした。これをやるために前職を辞めてまで起業したわけではないし、アウトソースして効率化したほう方がいいと考えて調べてみたのですが、なかなか求めているようなものが見つかりませんでした。自分たちが困っていて、同じような課題を抱えている事業者もいるはず。それならば新規事業としてこの領域でチャレンジしてみてもいいのではないかと、サービス開発を始めました」(西川氏)
EC事業者や倉庫事業者の声も取り入れつつ開発を進めるうちに、徐々に現在のLOGILESSに繋がるようなサービスが出来上がり始めた。
この事業はEC事業者の重要な情報を扱うこともあり、中途半端な形で運営することはできない。最終的にはEC事業者の物流課題を解決することに集中するべく改めて会社を作ることを決断。2017年にロジレスを創業し、再スタートを切った。
西川氏の話ではCoral Capitalから最初の資金調達を実施した2018年12月からの2年間でプロダクトの改善も進み、事業の進捗にも手応えを感じているそう。今回新たに調達した資金を用いて組織体制を強化し、事業をさらに加速させる計画だ。
先月には同じく物流業務の効率化に取り組むオープンロジが17.5億円の資金調達を実施した。冒頭でも触れた通りEC市場の拡大に伴って、EC事業者の裏側を支える物流サービスのニーズも今後さらに拡大していくはずだ。
ロジレスでは現在受注・出荷業務の効率化に注力しているものの、会社としては物流危機からECの未来を守り、社会インフラにもなりつつある便利なECを維持していくことが大きな目標。既存プロダクトのアップデートに加え、ゆくゆくは在庫問題の解決やラストワンマイル配送の最適化など、受注・出荷以外の工程にも事業を拡張していきたいという。