アンチGAFA、プロシューマーの活躍に期待する2021年

2021年以降に注目すべきは、やはりアンチGAFA的なトレンドだと考えています。私はインターネットに出会って以来ずっと「プロシューマー化」という概念に注目しています。プロシューマーとは生産者(Producer)と消費者(Consumer)を合体させた造語です。

大量生産大量消費時代は、生産者と消費者を分離し、あいだをメディアや流通でつなげるやり方が「足りないモノを隅々まで届ける」方法として合理的だったわけですが、モノがいきわたり、あふれる時代になると、次第に生産者と消費者を分けるやり方がそぐわなくなり、人々は生産者であり消費者でもあるプロシューマーに移行していくという考え方です。

コロナ禍はまさにこのプロシューマー化を加速させたと思います。簡易ECツールなどを利用して、あるいはフリマなどのマーケットプレイスを利用して、消費者である自分が生産したものを販売するという人々が急激に増えています。

複業という考え方もまさにこのトレンドの一部だと思います。自分が持つ技能や情報をいかに商品化して、販売するか。これを支援できるツールや場の提供は今後も大きな市場を生み出すと考えています。

プロシューマーを支援するツールとして、すでにSNSは大きな役割を果たしていると思いますが、SNSはそのビジネスモデルが、大企業(資本家)から広告を通じて資金を得て、消費者に情報を取らせる(あるいは情報を吸い上げる)というものです。これはつまり消費者に大企業が作り出したものを相変わらず届ける仕組みであり、大量生産消費時代の延長だと捉えることもできます。そう考えるとSNSそのものは、本当にプロシューマーの味方なのか? という大きな疑問が生まれてきます。このあたり答えあわせをできるようなビジネスが、アンチGAFAのトレンドともつながって2021年以降のスタートアップから生まれてくると面白いですね。

ネットビジネスでは今後GAFAのような巨大企業を生み出すことは、難しいかもしれません。けれども、小さくて、儲からなくても、しっかりとした人間の生活に根差した本質があり、周囲の人々を巻き込みながら経済を生み出すビジネスモデルがたくさん生まれてくることをいつも期待しています。

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