2018年には米国のベンチャーキャピタル(VC)・AccelがリードするシリーズAラウンドで2500万ドル(約29億円)の資金調達を実施。2020年には投資ファームのICONIQ CapitalがリードのシリーズBラウンドで5000万ドル(約57億円)を調達した。評価額は非公開だが、米データベースのCrunchBaseによれば、シリーズBラウンドを経た時点での評価額は1億〜5億ドル(115億〜575億円)と推定される。

RealtimeBoardでChief Revenue Officer(CRO:最高収益責任者)を務めるゼニヤ・ロギノフ氏
RealtimeBoardでChief Revenue Officer(CRO:最高収益責任者)を務めるゼニヤ・ロギノフ氏

Miroは2020年より急成長しており、昨年9月からの1年で、顧客組織数は4万件から11万8000件(195パーセント)、ユーザー数は800万人から2500万人(212パーセント)増加したという。ロギノフ氏は「多様なツールとの連携」と「ユーザーコミュニティでの活発な情報共有」こそが急成長を実現したMiroの強みだと説明する。

MiroはZoom、Slack、Microsoft Teamsを含む100以上の外部ツールと連携している。そのため、例えばZoomアプリの「Miro app for Zoom」を使えば、ビデオ会議中にMiroを表示することができる。

「Miro app for Zoom」のイメージ
「Miro app for Zoom」のイメージ

またユーザーコミュニティの「Miroverse」では、ユーザーが作成した800以上のテンプレートを用意し、新規ユーザーでも利用を開始しやすい環境を整えている。

日本では3年以内に500万人以上のユーザー獲得を目指す

Miroは現在、サンフランシスコ、ベルリン、ロンドンを含む世界11都市に拠点を置く。日本法人は5月に立ち上がったばかりだが、TOPIX 100(東証一部上場銘柄の中でも特に時価総額・流動性の高い100銘柄で構成される株価指数)企業の約半数がすでにMiroを導入している状況だという。

ミロ・ジャパン代表執行役社長の五十嵐光喜
ミロ・ジャパン代表執行役社長の五十嵐光喜氏

現在、日本におけるユーザー数は50万人で、有料顧客組織数は3800件。今後は日本語版を展開することで、3年以内に500万以上のユーザーと1万件の有料顧客組織の獲得を目指すと五十嵐氏は意気込む。

ロギノフ氏は「昨年から今年にかけての成長は異常な出来事だった」と述べる一方、「今後も高いレベルでの成長を維持できると考えている」と説明した。

「私たちの顧客企業の約95パーセントは、今後もハイブリッドな働き方を推進し、週5日のオフィス勤務に戻ることはないと話しています。そのため、さまざまな拠点で働く従業員のコラボレーションを支援するMiroのようなツールは、今後も求められ続けるでしょう」(ロギノフ氏)