診療報酬本体(技術料)のマイナス改定を求める財務省・財政制度等審議会に対して、日本医師会の松本吉郎会長が激しく反論する場面が目立つ。しかも怒気を込めた発言が増えてきている。
「お前たちは休日返上で働いて儲けたからいいじゃないか、と言わんばかりの資料が出されたのは極めて残念」(11月1日)
「通常の医療と新型コロナウイルス対応で頑張った医療従事者の心が折れる建議であり、大変遺憾だ」(11月22日)
財務省・財政審が診療所を“狙い撃ち”し、1%程度のマイナス改定とすべきと建議で迫ったことに対して、松本会長は「撃ち落としたい」と記者団にコメント。記者会見でも「怒り」を表現した赤いネクタイを締めて登壇するなど、徹底抗戦の構えをみせる。プラス改定をもぎ取り、24年6月の日医会長選で「2期目再選」というのが、松本会長が描くシナリオだ。全国の医師、医療従事者の気持ちを代弁し、先頭に立つ姿は「戦う医師会長」という表現が当て嵌るかもしれない。ただ、強気の姿勢もひと皮めくると、窮地に追い込まれた「焦り」がのぞく。