中学受験の本番が近づいてきました。中学受験生に向けて正しいノートの作り方を解説した話題の書籍『中学受験必勝ノート術』の著者で、2000人を指導してきたカリスマ家庭教師の安浪京子先生に、この時期の中学受験生にとって大事なことを伺いました。
中学受験は子どもにとって初めての大舞台
中学入試本番は、お子さんにとって生まれて初めての大舞台です。生まれてから今までこれほど入念に準備し、周囲の期待を一身に背負い、大きな不安を抱え、たった一人で本番に臨むという機会があったでしょうか。そして、この大舞台だからこそ、極度の緊張や心身の疲れで、思うように力を発揮できない子もたくさんいます。逆に、想定外の強さを発揮したり、大人が目を見張るほど精神的に成長する子もいます。
首都圏では一人あたりの出願校数が約7校(早稲田アカデミー調べ)となっています。「そんなに!?」と思われるかもしれませんが、東京の私立が本命の場合、1月に1~2校、2月1日から3日にかけて午前、午後ともに出願するのが一般的な流となっています。これは、より確実に合格を確保するための組み方と言い換えることもできます。もちろん、出願数と受験数は異なります。本命校で即合格が取れれば2~3校で受験は終了ですし、思うように合格がとれず3日以降にもつれ込むと、5枚以上受験し続けることになります。
些細なことが合否に直結
この“本番が始まって進学する学校が決まるまで”の数日間は、本当に些細なことが子どものメンタルを左右し、翌日の入試に大きな影響を与え、合否に直結します。その影響を最小限に食い止めるには、
・子どもの性格や精神状態を的確に把握すること
・その上で緻密に併願校を組むこと
が必要になります。
「本番」で今までの努力を悔いなく発揮できるようにするためには、とにかく準備が大事。また想定外のことが起きても、その対策ができているとその影響を最低限におさえることができます。思うように力が発揮できなくても、「やりきった」「悔いはない」そう思えるかどうかは、実はこの最後の半月~本番の過ごし方にかかっているのです。