大手塾で算数講師の経験を積んだ後、算数専門のプロ家庭教師として約20年間、2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は、その経験から「ノートをひと目見ると、その子の学力がわかる」と言います。
本連載では、「ノートの正しい書き方を知らずして、学力は上がらない」と断言する安浪先生が、指導の中で必ず教えるノート術を初公開した話題の書籍『中学受験必勝ノート術』の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。(本書をさらに詳しく紹介した動画もチェック!)

【中学受験のノート術】なぜノートが書けない子は中学受験で合格しにくいのか?典型的な、合格する子のノートと不合格になる子のノート。(「中学受験必勝ノート術」より)

子どもはノートの書き方を知らない

 なぜ、ノートが中学受験の合否の鍵を握るのか? 私は大きく、次の5つの理由があると思っています。

●子どもは意外とノートが書けない
 ノートの書き方が合否の鍵を握っているにもかかわらず、実際はちゃんと書けない子がほとんどです。それは、ノートの書き方そのものをちゃんと教えてもらったことがない子が多いからです。だからこそ、正しい書き方を教えるだけで驚くほど点が上がります。

●入試本番のアウトプット力を鍛える
 最近の入試は、算・国・理・社、どの科目においても回答を記述させる学校が増えています。本番で点を確実に稼ぐためには、「アウトプット力を鍛える=ノートに書く」練習をすることが必須です。理解しているだけではダメで、それを人に分かるようにアウトプットする力が求められているのです。

●「自分を律する力」を育む
 中学受験は、興味のないことも幅広く勉強する必要があるため、自分を律する力がないと合格できません。ノートに書く作業は面倒で大変。しかし、その積み重ねこそが自分を律する力を育んで、合格につながるのです。

●思考を可視化して整理する
 特に算数は、線分図を書いたり、図形を書いたりして、情報を可視化して整理しないと解法の糸口が見つかりません。だからこそ、ノートに書き出すことが大切になってきます。

●成長記録&お守りになる
 ノートの書き方を習得した後に、昔のノートを見ると、その違いに驚愕するはず。ノートを見返したり、直前期に使ったノートを積み重ねてみたりすることで、子どもは自分の成長を実感し、自信が持てるようになります。

 だからこそ、お子さんがノートをちゃんと書けない、書かないことを諦めずに、粘り強く指導していただけたらと思います。