運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文、世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。
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怖いのは「重症化」
新型コロナウイルスの大流行で、私たち医療現場の人間が恐れていたのは、「感染」そのものよりも「重症化」でした。
既往症があったりご高齢だったりする著名人が命を落とした悲しいニュースは、みなさんもいまだ記憶に新しいことと思います。
感染症の重症リスクを下げる
これから「ウィズ・コロナ」の時代になっても、変異ウイルスは登場すると思います。
そこで大切なのが「感染予防」と「重症化リスクを下げること」。
週150分の運動は感染症の予後を改善する
アメリカで新型コロナウイルス患者と運動習慣の関係を調べた調査(※1)によると、感染した男女約4万8400人(平均年齢約47歳)を、運動の頻度によって3つのグループに分けたところ、「ほぼ運動しない人」は「よく運動する人」「中程度の運動をする人」に比べて、入院リスク、死亡リスクが高いことがわかりました。
冬も歩く習慣を!
感染症の重症化を避けるためにもウォーキングは有効です。
冬、少し外は寒いですが、家の中ばかりにいることなく、ぜひ週150分以上のウォーキングを心がけるようにしてください。
※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的かつ効果的な歩き方が紹介されています。
※1 Sallis R, et al. Physical inactivity is associated with a higher risk for severe COVID-19 outcomes: a study in 48 440 adult patients. Br J Sports Med 2021 Oct;55(19):1099-1105. doi: 10.1136/bjsports-2021-104080. Epub 2021 Apr 13.