1日で3.6億円ばら撒いた起業家、バンク・光本勇介が狙う「次の実験」バンク代表取締役兼CEO。10歳から18歳までデンマークとイギリスで過ごす。2004年青山学院大学卒業後、オグルヴィ・アンド・メイザージャパン入社。2008年ブラケット(現ストアーズ・ドット・ジェーピー)を設立し、代表取締役兼CEO就任。2013年ブラケットをスタートトゥデイ(現 ZOZO)に売却。2016年MBOを実施し、ブラケット取締役会長に就任。2017年バンクを設立し、代表取締役兼CEO就任。2017年「CASH」をリリース、その後DMM.comへ全株式を売却。2018年MBOを実施。

目の前のアイテムが一瞬で現金に変わるアプリ「CASH」や後払いできる旅行アプリ「TRAVEL Now」など、世間を驚かせるサービスを次々と生み出す起業家・光本勇介氏――。「CASH」リリース時には、24時間で3.6億円もの現金をばら撒き、あまりの反響にわずか16時間でサービスを停止した。また、5月に発売した著書『実験思考』は、書籍を原価(電子書籍は0円)で販売し、自由な金額を課金してもらう売り方で話題を呼び、課金の総額が1億円を突破。度肝を抜くサービスを生み出し続ける光本氏が描く、次のビジネスとはどんなものなのか。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)

「現代版・物々交換」誕生のきっかけ

――手持ちのアイテムをスマホで撮影するだけで現金化できる「CASH」をリリースして話題をさらったのは2017年6月でした。最近はどんなことを手がけましたか。

1日で3.6億円ばら撒いた起業家、バンク・光本勇介が狙う「次の実験」オンラインストアの決済で「モノ払い」を使用する流れ(提供:バンク)
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 不要なアイテムをオンラインストアでの決済に使える“物々交換”の新サービス「モノ払い」を6月にリリースしました。2年前に話題になった「CASH」は、売りたいアイテムの写真を撮るとすぐに査定が行われ、アイテム発送前に現金化できる買い取りアプリです。この仕組みを、オンラインストアなどで商品を購入する際の決済手段として利用できるようにしたのが「モノ払い」です。不要となったアイテムを売って得たお金で、新しいアイテムを買うこれまでの売買から、「モノでモノを買う」ことができるようになります。

――サービス誕生の背景を教えてください。

 実は「モノ払い」の仕組み自体は、「CASH」と同じなんです。切り口を変えて、全く違うサービスに見せています。「CASH」のビジネスモデルはシンプルで、全国の消費者から即時にモノを買い取り、手数料を乗せて二次流通(中古品市場)業界に渡すというものです。